NHK学園賞

千葉県　私立　東京学館高等学校　1年　小林　世莉香

つたえたいあいて：おともだち

講評

　扇、凧、椿花、稲穂、鯛といった正月に関わるもの、縁起の良いものを注連縄を使って精一杯しょい込んだねずみが、必死の形相で「お年玉ください」と来たら、うっかり気を許してお年玉をあげてしまいそうです。そんなねずみの姿を、鉛筆を使って丹念に描いています。背負った物ひとつひとつの質感や、ねずみの毛の柔らかさまできちんと描き分けています。ありえない虚構の光景でありながら、それを本当らしくみせてしまう作者の筆力に感心させられます。

野口　玲一　先生