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モーダルシフトとは?重要性やメリット・課題点、日本郵便の取組を紹介

2024年3月29日
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モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、CO2排出量が少なく、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます。

また、直近では2024年問題の対策の一つとして、労働力不足の解消・働き方改革という観点でも注目を集めています。

本記事では、モーダルシフトの重要性やメリット・課題点などについて解説します。

モーダルシフトとは

トラックの写真

モーダルシフトとは、環境負荷を低減させるために輸送手段を転換することです。具体的には、トラック等の自動車で行っていた貨物輸送を、鉄道や船舶などに変えることを意味します。

モーダルシフト(modal shift)のモーダル(modal)は、「方法・様式」を意味し、輸送や物流においては輸送手段(輸送モード)のことを指します。輸送手段は、主に以下の4つに分けられています。

【輸送手段】

  • トラック(営業用貨物車)
  • 船舶
  • 鉄道
  • 航空

現在では、環境負荷の低減は多くの企業で取り組まれていますが、その中で輸送における環境負荷の低減には、モーダルシフトや輸配送の共同化、輸送網の集約等の物流効率化が有効です。

その中でも、モーダルシフトは環境負荷の低減効果が大きい取り組みとされています。

モーダルシフトの重要性

地球温暖化のイメージイラスト

モーダルシフトの推進は、地球温暖化対策の観点から重要です。

国土交通省の運輸部門における二酸化炭素排出量では、排出される二酸化炭素の量が、営業用貨物車(トラック)とその他の輸送手段では大きく差が出ることがわかっています。

以下は、1トンの貨物を1km運ぶ際に、営業用貨物車(トラック)とその他の輸送手段の二酸化炭素排出量を比較した表です。

【輸送量あたりの二酸化炭素の排出量(貨物)】※令和5年5月17日更新

輸送モード 二酸化炭素の排出量
自家用貨物車 1,124 [g-CO2/トンキロ]
営業用貨物車 216 [g-CO2/トンキロ]
船舶 43 [g-CO2/トンキロ]
鉄道 20 [g-CO2/トンキロ]

※ トンキロは、輸送した貨物の重量に輸送した距離を乗じたもの。1トンキロとは、1トンの貨物を1km運ぶこと。

営業用貨物車(トラック)が216gであるのに対し、鉄道は20g(約1/11)、船舶は43g(約1/5)と少ないことがわかります。

トラックから船舶や鉄道に輸送方法を変えることで二酸化炭素を削減できるため、モーダルシフトは環境負荷を低減させるために有効な手段です。

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モーダルシフトのメリット・課題点

トラックの写真

モーダルシフトは、環境負荷の低減のほかにも、以下のようなメリットがあります。

【メリット】

人手不足の解消

モーダルシフトは、物流業界の2024年問題の解決にもつながります。

2024年問題とは、働き方改革の一環として、自動車運転の業務に適用される「時間外労働の上限規制(年960時間)」や、厚生労働省がトラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」(貨物自動車運送事法に基づく行政処分の対象)により、拘束時間等の改善が強化されることによって、人手不足が懸念されています。

2024年問題については、以下で詳しく説明しています。

2024年問題とは?物流業界における課題と対応策をわかりやすく解説

長距離輸送のコスト削減

鉄道や船舶の利用は、トラックよりも少ない人数で大量の貨物を運べるため、輸送距離が長く大量に輸送する場合、モーダルシフトの推進により物流コストの削減が期待できます。

【課題点】

鉄道や船舶は、駅または港で貨物の積み替えが発生したり、運航スケジュールが厳密で増便に限りがあることから、お届けまでのリードタイムが長くなる可能性があります。

そのため、発荷主は、運航スケジュールに沿った確実な納品が求められます。また、集荷・配送拠点を貨物駅や港の近くに確保するなどの工夫も重要です。

トラックであれば、出荷元から納品先の顧客に商品を届けるまでワンストップで輸送できます。

一方で、鉄道や船舶は、ラストワンマイルへの対応ができません。鉄道を利用できるのは「駅と駅の間」、船舶は「港と港の間」のみに限定されているためです。

このことから、積み替えを考えると、長距離の場合にはモーダルシフトはコスト削減になりますが、短距離の場合には逆に、コストアップになってしまう傾向があります。

日本郵便はモーダルシフトなど環境に配慮した取組を推進

飛行機と大陸の写真

日本郵便は、長距離輸送におけるトラックドライバー不足を見据え、トラックによる郵便物などの輸送を、地球に優しく大量輸送が可能な鉄道または海運に転換するモーダルシフトに取り組んでいます。

2017年度のモーダルシフト積載量は、鉄道で204.9千t、海運で24.9千tです。

また、路線バスや鉄道会社等と連携し、バスや鉄道車両で郵便物などの輸送を行う「貨客混載」の取り組みや他社と連携し、全長25メートルの連結トラック「スーパーフルトレーラ25」(SF25)による共同輸送など、物流における環境負荷の低減に取り組んでいます。

日本郵政グループの取組については、以下をご覧ください。

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環境に配慮した郵便・物流‐日本郵政

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