輸送力の不足が懸念されている昨今、荷物を確実に運ぶためには、さまざまな輸送方法を検討する必要があります。なかでも特積みは、貸切便を手配するまでもない小口配送に強みを持つ運送形態です。小口配送といえば、個人宅への配送が想像しやすいかもしれません。しかし、特積みの小口配送は、企業への配送も可能です。
今回は、特積みの基礎知識と利用するメリット、デメリットを解説。特積みをうまく活用できれば、物流費のコストダウンができる可能性があります。ぜひ参考になさってください。
特積み(特別積合せ貨物運送)とは
特積みとは、「特別積合せ貨物運送」の略称です。不特定多数の企業から出荷される荷物を、1台のトラックにまとめて積載し、全国規模で輸配送するトラック運送事業のひとつです。貨物自動車運送事業法では、一般貨物自動車運送事業の一種と定義されています。
物流拠点となる発地の営業所で、集荷されてきた荷物を着地の方面別に仕分け。仕分けされた荷物は、幹線輸送のトラックにまとめて積載し、異なる地域にある着地の営業所へ運びます。着地の営業所では、さらに配達に必要な仕分けを行います。ここまでが特積みと定義されており、発着地からのエリア内への集荷・配達はグループ会社などが行う場合もあります。
なお、特積みの事業は、荷物の多少に関わらず、営業所間の運行を定期的に行わなければならないことも特徴です。確実な輸送需要が必要な事業である一方、貸切便から特積みへの切り替えによるコスト削減効果が認められ、多くの企業に利用されています。
特積みと宅配便の違い
特積みと宅配便は、納品先と運べる貨物が異なります。
特積みは主にBtoB向け、かつ170cmを超える大きな荷物や重量物を運ぶことに適しています。一方、宅配便は主にBtoC向け、かつ重量30kg以下の小型荷物に限定されています。
厳密にいえば、宅配便は特積みの一種であり、特積み事業者が提供する輸送サービスのひとつです。営業所をハブ拠点として荷物を集約し、幹線輸送を行い、納品先エリアごとに仕分けて配達する「ハブアンドスポーク」と呼ばれるフローが共通点といえます。
BtoBの大型の荷物は特積み、BtoCの小型の荷物は宅配便といったように用途に応じて使い分けることで安価に配送することができます。
なお、一般貨物自動車運送事業の中でも、特積みが区別されるのは、貸切便と特積みの運び方に違いがあるからです。貸切便は、車両を貸し切って輸送する形態であり、集約拠点を介さずに出荷先から納品先へ直送します。
荷物の量が多い場合や納品先の条件が厳しい場合は、特積みより貸切便の方が適しています。
特積みと貸切便の比較
特積みと貸切便の比較は、以下の通りです。
特積みのメリット | 貸切便のメリット |
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特積みを利用する一番のメリットは、コストを削減できる点です。荷物の合計重量(または容積)で運賃が計算されるため、特に荷物の量が少ない場合、貸切便と比較して配送コストが安くなります。特積み事業者は独自のネットワークを活用し、輸配送を効率化しているため、遠方への配送も安価です。
また、他社の荷物と共同で輸配送を行う特徴から、トラックの空きスペースを有効活用できます。そのため、国内の輸送力不足が懸念される2024年問題への寄与、およびCO2の削減効果が期待できるでしょう。社会的責任を果たすうえで重要なメリットです。
一方、荷物の量が多い場合は、必要に応じて貸切便に切り替えると良いでしょう。また特積みは直送ではないため、貸切便の方が融通が利きやすいというメリットがあります。特積みを利用する際はゆとりを持って依頼しましょう。
特積みの依頼はJPロジスティクスにご相談ください
日本郵政グループのJPロジスティクスは、自社拠点と協力会社による全国の輸送ネットワークを活かした特積み事業を行っています。
トラックの共同利用により、リーズナブルな運賃を実現。加えて貸切便の手配も可能なため、荷物の増減に対しフレキシブルな対応が可能です。
なお、宅配便の手配も同グループの日本郵便が対応しております。
ゆうパック|日本郵便株式会社
納品先や荷物の特性、荷物の量にあわせてご活用ください。
国内輸送 | JPロジスティクス株式会社
まとめ
特積みは、不特定多数の企業と荷物を積合せて運ぶことにより、コストダウンを図れる1つの輸配送の手段です。CO2の削減や国内の輸送力不足対策へも有効といえます。大きな荷物や重量物、BtoB向けの商材、小口の配送を扱う多くの企業に利用されています。
JPロジスティクスは、長きにわたる歴史と豊富な実績を持つ企業です。特積み事業を展開する事業者のなかでも業界をリードしてきました。特積みの利用をお考えの際はぜひ、ご相談ください。
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