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保税倉庫(輸出入倉庫)とは|メリット・デメリット、利用方法を解説

2024年11月5日
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EC市場の拡大とともに、海外での販売を視野に入れたり、海外のものを国内に輸入して販売することを検討する事業者さまも多いことでしょう。もし、海外から商品を輸入して販売する場合、輸入手続きが済んでいない商品は倉庫で保管しておかなければなりません。その倉庫のことを「保税倉庫」と呼びます。

この記事では、保税倉庫の利用方法など、海外からの輸入を検討している方が知っておくべき情報を紹介します。

保税倉庫とは

保税倉庫のイメージ画像

保税倉庫とは、海外から輸入された貨物を、輸入手続きをとる前に保管しておく倉庫のことです。輸出手続きが済んでいない貨物を一時的に保管する場所でもあり、輸出入ビジネスにおいて必要不可欠なものです。貨物を引き取るためには、税関のチェックを受け、関税や内国消費税などの税金を納めた上で、税関長から輸入の許可を受ける必要があります。このように外国貨物について、蔵置、加工・製造、展示、運送などを可能とする制度のことを保税制度といい、保税制度には大きく分けて「保税地域制度」と「保税運送制度」の2つがあります。

保税地域制度 特定の場所や施設で外国貨物についての蔵置、加工・製造または展示等ができる制度。この特定の場所や施設を保税地域といい、保税地域には、財務大臣が指定する指定保税地域(港湾施設等)と、税関長が許可する保税蔵置場(民間の倉庫等保税倉庫)などがある。
保税運送制度 税関長の承認を受けて、保税地域、港又は空港などの相互間において外国貨物のまま運送することができる制度。

保税倉庫は、税関の監督下の場所にあり、不正防止、正しい徴税、スムーズな貿易取引が可能となっています。

保税地域の種類と機能

保税倉庫(保税蔵置場)を含めた保税地域の種類と主な機能は次のとおりです。

種類 主な機能 蔵置期間 設置の手続 概要
①指定保税地域
(関税法第37条)
外国貨物の積卸し、運搬、一時蔵置
(例:コンテナヤード等)
1ヶ月 財務大臣の指定 指定保税地域は、税関手続を簡易、迅速に処理するためにできたものです。国や地方公 共団体等が所有または管理している土地や建物等の公共的な施設について、財務大臣が 指定した場所をいいます。 指定保税地域では、輸入手続が済んでいない貨物、輸出の許可を受けた貨物、わが国 を通過する貨物(これらを「外国貨物」といいます)の積卸、運搬、一時蔵置(原則として 1か月)ができます。 指定保税地域は、貨物の税関手続と荷さばきのため、誰でも自由に、安く利用できること を理想とするので、貨物を⾧期間置くことや、特定の事業者による独占的な使用はできません。
②保税蔵置場
(関税法第42条)
外国貨物の積卸し、運搬、蔵置(例:倉庫、上屋等) 2年
(延⾧可)
税関⾧の許可 保税蔵置場は、取引の円滑化と中継貿易の発展を図るためにできたものです。外国貨 物を置くことができる地域として、税関⾧が許可した場所をいいます。 保税蔵置場では、外国貨物の積卸、蔵置(原則2年、延⾧可能)ができ、その間は関 税等はかかりません
③保税工場
(関税法第56条)
外国貨物の加工、製造 (例:造船所、製鉄所等) 2年
(延⾧可)
税関⾧の許可 保税工場は、加工貿易の振興のためにできたものです。外国貨物について、関税等がか からない状態で加工、製造できる地域として税関⾧が許可した場所をいいます。 保税工場の加工、製造の期間は原則として2年ですが、作業の都合により、更に期間を 延⾧することも認められます。この期間中は、関税等がかからないので、この間に外国貨物 の加工、製造を行い、製品を外国に送り出せばよいわけです。 保税工場は、指定保税地域等と違い、国内販売のための工場の立地条件に左右される ので、港湾や空港から離れた場所に立地している場合も多くあります。 保税工場で加工、製造している製品としては、缶詰、菓子、鋼材、電線、船舶、自動車、 精密機械、土木機械、工作機械、石油製品、繊維、農薬、化学製品、フィルム等があります。
④保税展示場
(関税法第62条の2)
外国貨物の展示、使用 (例:博覧会、博物館等) 税関⾧が必要と認める期間 税関⾧の許可 保税展示場は、国際的な博覧会や公的機関等が行う外国商品の展示会等の運営を 円滑にするためにできたものです。外国貨物について、関税等がかからない状態で展示、使 用できる地域として税関⾧が許可した場所をいいます。 万博会場も、保税展示場として許可を受けて運営されています。
⑤総合保税地域
保税展示場
(関税法第62条の8)
②~④の総合的機能(例:中部国際空港等) 2年
(延⾧可)
税関⾧の許可 総合保税地域は、輸入の促進や対内投資事業の円滑化等の動きを背景として、各種の 輸入インフラの集積メリットを助⾧するためにできたものです。前記②~④に掲げる保税地域 が有する外国貨物の蔵置、加工、製造、展示等の各種機能を総合的に活用できる地域と して、税関⾧が許可した場所をいいます。 総合保税地域では、地域内において様々な機能を有する各種施設を弾力的に配置する ことができ、地域内の各施設の間では、手続を必要とせずに外国貨物の移動ができるなど、 手続の簡素化が図られます。

税関Japan Customs「保税地域の種類と主な機能」

一般倉庫との違い

海外から輸入された商品は、搬入されると、輸入申告し、審査、検査のステップを経て、関税等を納付して初めて輸入許可が下ります。貨物を輸出または輸入する際に、税関から許可が降りることを「通関」と言います。保税倉庫と一般倉庫の違いは、通関済みの貨物を保管するか否かにあります。

国外からの貨物は、輸入許可が降りるまでは保税倉庫以外での保管が禁止されています。

  • 保税倉庫…通関手続き前の外国貨物を保管する。貨物の出入りが税関の管理下で行われ、厳格な保管体制をとっている。
  • 一般倉庫…通関済みの貨物を保管する。事業主の管理となり、より自由な運用が可能。
保税倉庫の利用イメージ画像

保税倉庫を利用した際の輸入フロー

海沿いの工場のイメージ画像 輸出入通関のイメージ画像

では、保税倉庫を利用した際どのような手続きをとればよいのでしょうか。フローは大きく分けて以下4つのステップがあります。

  1. 搬入
  2. 他法令手続きに関する検査
  3. 輸入申告
  4. 輸入許可・出庫

財務省の資料によると、海上貨物の場合、日本に到着してから輸入手続全般を終えるまでの所要日数は平均2.6日(61.9時間)です。また、航空貨物の場合、航空機到着から輸入許可が下りるまで、平均0.5日(12.3時間)とされています。

それぞれのステップについて解説します。

1.搬入

まずは、外国から到着した貨物に対し取卸手続きを行った上で、保税倉庫に搬入します。取卸手続きは、税関へ「外国貨物仮陸場の届出」が必要で 、貨物が陸揚げされるまでに提出しなければなりません。

2.他法令手続きに関する検査

保税倉庫内で、貨物が法律に違反するものではないか「他法令手続きに関する調査」に基づいてチェックします。関税関係法令(関税法、関税定率法、関税暫定措置法)以外の法令を意味する他法令の項目は、覚醒剤取締法や農薬取締法など、多岐に渡り、それぞれ所管省庁も異なるため、許可・承認に時間がかかるケースもあります。

3.輸入申告

貨物が到着すると、輸入者に「到着通知(Arrival Notice)」が発行されます。到着日、到着港または空港、荷物詳細などが記載されているので、到着通知と必要な書類を用意して、利用する保税倉庫を管轄する税関へ輸入申告します。

4.輸入許可・出庫

輸入申告の審査が通過したら、課せられた関税を支払って税関の輸入許可を受けることになります。そこで輸入許可が下りたら、「外国貨物」が「内国貨物」となり、国内で引き取ることができます。ここまでの手順をすべてクリアすれば、保税倉庫から貨物が出荷されるのです。

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保税倉庫の利用方法

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では、実際に保税倉庫の利用する場合の利用方法を紹介します。方法は次の2通りです。

  • 倉庫事業者に依頼する
    保税倉庫を所有している倉庫事業者に直接依頼をするというもの。基本的に自社で輸入通関を行う場合はこちらの手法が多いです。

  • 通関事業者またはフォワーダーに相談する
    貨物が到着後、保管からすべての手続きを通関事業者に依頼できます。またフォワーダーに相談した場合、倉庫を契約する必要がなく、手軽に国際輸送の手続きをとることができます。

保税倉庫を使用する際のデメリット・注意点

注意点のイメージ画像

保税倉庫を使用する際は、先に紹介した利用の手順を漏れなく正しく踏む必要があります。申請の際に記載漏れや、数量の過不足があった場合、密輸入として処罰の対象になってしまう可能性もあるので、十分に注意をしてください。

日本郵便とそのグループ会社なら保税倉庫を活用した物流提案が可能!

日本郵便の物流提案に関するイメージ画像

日本郵便とそのグループ会社では、輸出入の通関手続きから、お預かりした荷物の仕分けやラベル貼付け、荷受人への配送のトータルサポートまで、国際物流を一括で委託したいお客さまのニーズに合わせた、柔軟なサービスを提供しています。

現在日本郵便のグループ会社であるJPロジスティクスでは成田空港貨物地区に隣接する「成田保税蔵置場」にて輸入通関を行い、その後ゆうパックなどのBtoC配送サービスによりお客さまへ直接お荷物をお届けしております。貨物の輸出入に最適な立地であり、特に航空便の輸入において日本郵便とのシナジーを発揮することが可能な成田保税蔵置場は、越境ECのお客さまの様々なニーズにお応えすることができます。また、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国のネットワークと、国内サービスの組み合わせにより、エンドユーザーへの配送まで一括で実現するのが最大の強みと言えます。

日本郵便の越境EC事業に関するイメージ画像

国際物流はJPロジスティクスに一括でお任せ

ロジスティクス

国際輸送+B2C配送等の総合的なサービス

まとめ

海外からの輸入ビジネスを行う上で欠かすことのできない保税倉庫について、その利用方法を紹介しました。国際物流には複雑な法規制が関係するため、通関や輸送の専門知識が必要となることをご理解いただけたかと思います。

日本郵便とそのグループ会社では、グループのネットワークを生かして、国際物流に関するさまざまなサービスの提供が可能です。日本郵便のグループ会社であるJPロジスティクスはトールと連携したグローバルフォワーディングサービスにより、航空、海上、複合輸送(Sea&Air)、通関をはじめとした各種サービスを組み合わせて、お客さまのご要望に合わせた最適な物流ソリューションを提供していますので、ぜひ一度ご相談ください。

ビジネスで利用されるお客様 新規利用に関する相談・お問い合わせ - 日本郵便 (japanpost.jp)

国際物流を一括でお願いしたい方は、こちらからお問い合わせください(JPロジスティクス)

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