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近年ではネットショップ制作サービスが数多くあることから、個人でもネットショップを開設・運営しやすい環境が整っています。しかし、一人でネットショップを運営することに対して不安を抱いている人や、やり方がわからないという人も多いでしょう。
そこで今回は、ネットショップを一人で運営するメリット・デメリットをはじめ、ネットショップを開設する方法、成功させるコツなどを紹介します。おすすめのサービスについても触れているので、これからネットショップの開設し、一人で運営しようと考えている人はぜひ参考にしてください。
ネットショップを一人で運営するメリット・デメリット
ネットショップは複数人で運営するイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には一人でも開業・運営ができます。ネットショップを一人で運営するメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
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ネットショップを一人で運営する際には上記のようなメリット・デメリットが発生するため、できるだけコストを抑えて運営したい人や自分で経営判断したい人、本業や家事・育児などの隙間時間を有効活用したい人におすすめです。
一人で運営するメリット
一人でネットショップを運営するメリットをもう少し詳しく見ていきましょう。
- 人件費が不要
- 意志決定が早い
- 隙間時間で作業できる
- 人間関係のトラブルが起きない
ネットショップを複数人で運営する場合は自分以外のスタッフに人件費を支払う必要がありますが、一人で運営する場合には人件費は不要です。そのため、複数人で運営するよりも低コストでの運営が叶います。また、人間関係によるトラブルもなく、経営方針においても相談する必要がないため、迅速な意志決定が可能です。
さらに、作業量や作業時間の融通も利きます。組織的に運営するとなると、時間を合わせて作業するのが一般的です。また、作業を分担することも多いため、後工程に影響がないように作業を進めなければいけません。しかし、一人で運営する場合は、すべての作業を一人でこなす大変さはありますが、進捗が遅れたとしても誰にも迷惑をかけることがないため、マイペースに作業できます。
一人で運営するデメリット
ネットショップを一人で運営する際には、次のようなデメリットも頭に入れておきましょう。
- 業務負荷が高い
- 幅広い知識・ノウハウが必要
- 施策の幅が狭い
- 休みが取りづらい
ネットショップ運営は商品企画や仕入れをはじめ、受注や顧客管理など、業務内容が多岐に渡ります。一人で運営するとなると、これらの業務をすべて対応しなければいけないため、プライベートの時間が取れなくなることも考えられます。
また、集客や販促の施策においても複数人で運営していれば複数の施策を同時に走らせることも可能です。しかし、一人だと対応できる数に限りがでてくるため、施策の幅が限定されます。さらにネットショップ運営に関する知識やノウハウが求められるため、常に勉強する勤勉さがないと失敗続きになるでしょう。
このようなデメリットを最小限に抑えるためには、物流業務など一部の業務をアウトソーシングするのがおすすめです。外注費はかかりますが、ノンコア業務以外をアウトソーシングすることでコア業務に集中しやすくなるため、一人で運営していたとしても売上の拡大が図りやすくなります。
ネットショップを個人で開設・開業する方法
個人でネットショップを開設・開業する流れは次のとおりです。
- 商品・ショップのコンセプトを決める
- 商品の仕入れ先を決める
- 販売に必要な届出・許可を確認する
- 出店方法を選ぶ
- ECサイトを制作・構築する
- 個人事業主の開業届を提出する
最も重要なのが、最初の工程であるコンセプト決めです。コンセプトはショップ運営の指針であり、ターゲットに「どういうお店なのか」を伝えるための軸になるものです。コンセプトの方向性によって、商品の仕入れ先や出店方法、構築するネットショップのデザインなどが決まってくるため、なんとなくではなく、しっかりとコンセプトを練るようにしましょう。
➀商品・ショップのコンセプトを決める
まずは商品とネットショップのコンセプトを決めます。コンセプトとは、「誰に・何を・どうやって」届けるかを定義することです。また、ショップでの買い物を通じて、お客様にどういった購買体験を届けたいのかを定義することでもあります。具体的には下記のような項目を考えます。
【ショップのコンセプトについて考えること】
- ターゲット(性別・年齢・悩みなど)
- ターゲットが商品を使う目的
- どうやって商品を認知させるか
- 販売経路
- 何の商品を取り扱うのか
商品・ショップのコンセプトを決める理由を簡単に言うなら、「差別化」です。多くの競合他社がひしめくなかから自サイトを選んでもらうには、競合と差別化できるポイントがないと埋もれてしまいます。その差別化ポイントを明確にするのがコンセプトというわけです。
コンセプトの設計次第でネットショップ運営の成否が分かれると言っても過言ではないため、個人であったとしてもコンセプトは綿密に設計するようにしましょう。
【事例あり】ネットショップはコンセプトが重要!明治30年創業の川本屋茶舗が実施したリブランディングとは?成功事例や決め方のポイントを解説
➁商品の仕入れ先を決める
商品・ショップコンセプトを決める過程で、販売する商品が決まったら仕入れ方法も決めていきます。商品を仕入れる方法は主に次のようなパターンがあります。
【仕入れ先の主なパターン】
- オリジナル商品を作る
- オリジナル商品の企画は自分で行い、製造はメーカーに依頼する
- 既製品を直接メーカーから仕入れる
- 卸売企業や仕入れサービスを利用して既製品を仕入れる
- 海外から仕入れる
商品の仕入れは「オリジナル商品を製造する」か、「既存の商品を仕入れる」方法に大別されます。既製品にはない独自の世界観を押し出したネットショップを展開したい人は、オリジナル商品を作るか、商品企画を行い製造はメーカーに依頼するのがおすすめです。
一方、既製品を取り扱い幅広く顧客を取り込みたい場合は、メーカーや卸売企業などから既製品の仕入れを行いましょう。既製品でも国内にないデザインの商品を取り扱いたい場合は、海外から商品を仕入れるのもおすすめです。海外から商品を仕入れる場合は、関税法や薬事法などの各種法律関係や国際郵便で取引する場合禁制品などもあわせてチェックしておきましょう。
③販売に必要な届出・許可を確認する
ネットショップの開業自体に特別な許可は不要ですが、次のように取り扱う商品によっては届出や許可が必要なケースがあります。
例えば、食品の販売は、常温保存で問題ないものに関しては特別な許可は不要です。ハムやソーセージなどの加工食品を製造・販売する場合は、「食品衛生責任者」の取得が必要になります。化粧品に関しても国内メーカーの商品を仕入れて販売する場合は、特別な許可は必要ありません。
また、医薬品のネット販売は、薬局や薬店などの実店舗ありきです。ネットショップのみでの販売はできないことは留意しておきましょう。なお、ネット販売する場合でも薬剤師または登録販売者の資格が必要です。
さらに、輸入品の販売に必要な許可は品目によって異なります。たとえば海外の健康食品を輸入販売する場合は、「食品等輸入届出書」を届出なければいけません。また、輸入禁止商品や制限のある商品、関税の支払いなど注意すべき点が多くあります。不手際があった場合は、罰則が科されることもあるため、輸入品の販売を計画している場合はあらかじめ専門機関に問い合わせておきましょう。
④出店方法を選ぶ
次に出店方法を決めます。ネットショップの出店方法は「ECモールへの出店」と「自社ECサイトの作成」の2種類に分かれます。
出店方法 | おすすめの人 |
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ECモールへの出店 |
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自社ECサイトの作成 |
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ECモールに出店する場合、ガイダンスに沿って登録作業を進めれば、ネットショップを開設できます。早ければ30分程度でネットショップを開設できるため、すぐにでもネットショップをオープンさせたい人向きです。また、ECモール自体の知名度により開設当初からある程度の集客力が期待できるため、集客力を利用したい人にもおすすめです。
一方、自社ECサイトは最短でも1ヵ月と構築に時間がかかります。しかし、ECモールよりもデザイン性・カスタマイズ性に富んでいるため、ブランドの世界観を表現しやすいというメリットがあります。また、ECモールに比べて拡張性も高いため、事業の拡大を視野に入れている場合も自社ECサイトでの構築をおすすめします。
⑤ECサイトを制作・構築する
出店方法が決まったら、実際にネットショップを構築していきます。ネットショップを構築する際には次のような作業を行います。なお、ECモールへの出店はガイダンスに沿って作業を行うため、ここでは自社ECサイトの制作における作業の一部を紹介しています。
【ECサイトの制作・構築で行うこと】
- デザイン設計
- 導線設計
- 決済方法の選定
- 物撮り
- ライティング
ECサイト制作サービスなどを利用すれば、デザインテンプレートを選ぶだけでおしゃれなネットショップを作成できます。ショップのデザインはブランドの世界観を表現するうえで重要なのはもちろん、売上においても重要なポイントです。ただし、作り込みすぎて使いづらいサイトになってしまうと売上に影響するため、ブランドイメージを大事にしつつ、買い物しやすい導線設計を意識しましょう。
また、意外と重要なのが決済方法の選定です。消費行動の多様化が進む現代において、決済方法も購入の決め手の一つとなりえます。ターゲットが好む決済方法の採用がカゴ落ち防止に繋がることもあるため、利用するECサイト制作サービスで希望の決済方法が使えるかどうかも確認しておきましょう。
(参考)個人事業主の開業届を提出する
開業届は所得税法(第229条)で、事業の開始日から1ヵ月以内に開業届を提出することが定められていますが、起点となる「事業の開始日」については決まりがありません。届出は管轄の税務署で行います。税制上の優遇が受けられる青色申告申請書を提出するためには開業届の提出が必要です。
青色申告は申告を行う年の3月15日までに申請する必要があります。忘れてしまうと初年度の申告ができなくなるため、開業届とあわせて申請書を提出しておくことをおすすめします。
ネットショップを個人で開業するのにおすすめのサービス
個人がはじめてネットショップを開業する場合、売上が立たないリスクも考慮して、まずは初期費用・月額費用かからないBASEを利用するのがおすすめです。運営にかかる費用は各種手数料のみ。手数料は注文が入ってはじめて発生するので、初心者でも安心してネットショップ運営に取り組めます。
特に決済手数料がほかのサービスに比べて低めに設定されているため、初心者でも売上を上げやすくなっています。また、BASEにはデザインテンプレートが80種類以上あるため、他社と被りにくく、ブランディングもしやすいのもメリットとして挙げられます。
さらに1日の上限件数はあっても、商品は無制限に登録できます。ネットショップの規模が大きくなったとしても乗り換えの必要がないところもおすすめできるポイントです。
【BASE】
決済手数料 | 3.6%+40円 |
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デザインテンプレート数 | 80種類以上 |
商品登録数 | 無制限 |
※スタンダードプランの場合
参照:BASE|BASEの料金プラン
【特におすすめの人】
- 極力コストを抑えつつ、将来的に事業規模の拡大を狙いたい人
個人でのネットショップの運営を成功させるコツ
個人でネットショップの運営を成功させるためには、以下のコツを意識する必要があります。
- 集客にSNSや広告を活用する
- 運営者情報や規約を明記する
- 在庫管理を徹底・効率化する
意識するポイントは認知拡大とショップの信頼性の向上、過不足ないよう在庫を管理する適正在庫の維持です。在庫管理においては場所の確保や棚卸しなど、面倒な作業が多いため、効率化を目指すのであれば外注化がおすすめです。
集客にSNSや広告を活用する
大企業のように知名度があれば、開設してすぐに集客できるかもしれませんが、個人の場合は難しい場合もあります。そのため、まずは認知を広げるためにSNS運用や広告配信などの施策を打ちましょう。
ただし、SNS運用や広告配信といった施策は今や多くの企業および個人が活用しています。ただ運用・配信するだけでは埋もれてしまうため、ターゲット設定や各種媒体のアルゴリズムなどを研究し、戦略的に施策を打つ必要があります。また、施策を展開したあとは反応を見ながら随時改善を図っていくことで、高い集客効果を得られるようになります。
運営者情報や規約を明記する
大手企業など認知度が高い企業が開設しているネットショップの場合、信頼性が担保されているとしてユーザーは安心して買い物を楽しめます。一方で開設したばかりの個人ネットショップは、知名度も実績もまだないため、一部の新規ユーザーから「注文した商品がちゃんと届くのか」など不安を感じる方もいるかもしれません。
この不安感を払拭するためには、運営者情報の記載が有効です。また、規約や許認可、プライバシーポリシーなども明記しておくことで、取引における不透明さをなくせるため、安心感を持ってもらいやすくなるでしょう。
在庫管理を徹底・効率化する
在庫は抱えすぎても負債になるし、在庫過多を恐れて少なくすると、欠品により売上を逃す可能性が出てきます。これを避けるためには、適正在庫を保つことが重要です。
個人でのネットショップの運営に関するよくある質問
ここからは個人でネットショップを運営する際によくある質問について紹介していきます。
ネットショップの開業で失敗する原因は?
ネットショップの開業で失敗する主な原因には次のようなものがあります。
- コンセプトが曖昧
- 情報の掲載が不十分
- 在庫管理ができていない
- 顧客とのコミュニケーション不足
- ショップの操作性・視認性が悪い
個人のネットショップはとにかく「安心感」が重要です。そのため、運営者情報の掲載はもちろん、誰向けのサイトなのかコンセプトを明確にする必要があります。また、商品を見つけてから購入までの導線がスムーズにいかない場合、ユーザーにストレスを与えることになるため、デザインも含めてショップ内の操作性・視認性を意識して制作するようにしましょう。
さらにショップやSNSに来た問い合わせなどには極力時間をおかずに返信することで安心感を与えられます。在庫に関しては前項で紹介したとおり、抱えすぎてしまうと負債となるため、適正在庫となるよう需要を予測しながら仕入れを行いましょう。
ネットショップでは何を売るのがおすすめ?
ネットショップの販売には、向いている商品と向いていない商品があります。
向いている商品 | 向いていない商品 |
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もし向いていない商品を取り扱いたい場合は、まとめ売りや訳あり商品として売り出すことで、売れる可能性を上げられます。
たとえば単価が安い商品においては利益率の確保が難しくなるため、まとめ売りがおすすめです。賞味期限が短い商品については「期間限定」で売り出すことで希少価値を高めれば、消費者の購買意欲の向上につながります。
ネットショップの開業で使える助成金はある?
2024年1月現在、ネットショップの開業で使える助成金はありません。ただし、条件に該当し、審査に通過すれば下記の補助金を利用することができます。
【ネットショップの開業で使える補助金】
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 各自治体による補助金
補助金は助成金と異なり、予算の上限があります。申請期間内に予算上限に達した場合は打ち切られるので早めに申請することをおすすめします。また、補助金を受けるためには審査に通過しなければいけない点も留意しておきましょう。
なお、自治体による補助金については、すべての自治体が行っているわけではありません。活用できる補助金があるかどうかは各自治体の公式ホームページを確認してみてください。
まとめ
ネットショップを副業等で、一人で運営する方が増えています。ネットショップ運営は思いのほか作業が多いため、操作が簡単なASPカートがおすすめです。
日本郵便では、個人がネットショップを開設するのに最適なサービスであるBASEと2023年11月に「BASE Partners」のオフィシャルパートナー契約を締結しました。
BASEと日本郵便が「BASE Partners」のオフィシャルパートナー契約を締結~ネットショップ開設から受注後の配送まで一貫した支援サービスの試行開始~
※本試行は2024年2月29日で終了しました
日本郵便を通して「BASE」でネットショップを開設された方へ、お得な限定特典をご用意しています。
興味がある方は、こちらをご確認ください。