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レンタルやシェア、リサイクルは、ユーザーに商品を貸し出し、その対価としてレンタル料を受け取るビジネス形態です。近年では節約の目的だけでなく、SDGsの「12.つくる責任つかう責任」にもあるように、持続可能な消費と生産を実現する目的で、レンタルやシェア、リサイクルを利用する人は増えていることから、さまざまな商材でのレンタルビジネスが注目されるようになりました。
本記事では、レンタルビジネスモデルとはどのようなものか、メリット・リスクについて解説します。成功事例や始め方についても紹介するので、レンタルビジネスを事業として検討している方はぜひ参考にしてください。
レンタルビジネスとは
レンタルビジネスとは、ユーザーに対して商品を貸し出し、契約期間に応じて利益を得られるビジネス形態です。一般的な販売モデルとは異なり、所有権は貸し手にあります。代表的なサービスには、空き部屋の貸し出しやブランドバッグ・時計の貸し出しなどがあります。
レンタルビジネスモデルの利益構造
レンタルビジネスモデルの利益は、一般的に以下の計算式で算出されます。
利益=売上(レンタル回数×1回あたりの利用料金)−(購入コスト+維持コスト+運営コスト)
レンタルビジネスモデルで貸し出す商品の購入や維持、運営にはコストがかかるため、売上から差し引いて利益を算出します。利益を最大化するためには、できるだけコストを抑えて、多くの回数をレンタルで回す必要があります。
サブスクリプションやリースとの違い
レンタルビジネスと似ているビジネス形態に、サブスクリプションやリースがあります。サブスクリプションとは、ソフトウェアや音楽、電子書籍に多いビジネス形態です。定額の貸し出しサービスのことで、利用期間に応じて利益が発生します。利用期間は設定されておらず、月額料金を支払う限り継続して利用することが可能です。レンタルビジネスでは契約時に利用できる期間を設定し料金を支払うため、契約期間が事前に決まっているかどうかという点で異なります。
リースとは、自動車やオフィス機器に多いビジネス形態です。リース事業者が所有しているものを、一般的に数年から10年ほどにわたって貸し出すサービスです。レンタルビジネスの契約期間は数日から数ヵ月程度と短期間であるのに対し、リース期間は契約期間が長い点で異なっています。
レンタルビジネスが注目される背景
レンタルやシェア、リサイクルは、ユーザーに商品を貸し出し、その対価としてレンタル料を受け取るビジネス形態です。近年では節約の目的だけでなく、SDGsの「12.つくる責任つかう責任」にもあるように、持続可能な消費と生産を実現する目的で、レンタルやシェア、リサイクルを利用する人は増えていることから、さまざまな商材でのレンタルビジネス注目されるようになりました。
株式会社情報通信総合研究所が一般社団法人シェアリングエコノミー協会との共同調査結果をまとめた「シェアリングエコノミー関連調査2021年度調査結果(SDGsへの貢献効果)」によると、シェアサービス利用によるSDGsへの貢献の例として、「12.つくる責任つかう責任」以外にもさまざまな効果が見込まれています。
レンタルビジネスの代表的な商材
SDGsへ貢献するシェアリングエコノミーの効果の例 | 対応するSDGs |
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3 すべての人に健康と福祉を |
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4 質の高い教育をみんなに |
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5 ジェンダー平等を実現しよう |
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8 働きがいも経済成長も |
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9 産業と技術革新の基盤をつくろう |
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11 住み続けられる街づくりを |
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12 つくる責任つかう責任 13 気候変動に具体的な対策を |
株式会社情報通信総合研究所|シェアリングエコノミー関連調査2021年度調査結果(SDGsへの貢献効果)
レンタルビジネスの代表的な商材
レンタルビジネスの代表的な商材には、以下のようなものがあります。
- 洋服レンタル
- DVDレンタル
- 空き部屋レンタル
- 自動車レンタル
- スーツケースレンタル
- 家電レンタル
洋服やDVDといった商材のほかに、空き部屋や自動車、スーツケース、家電などの商材も増えています。
レンタルビジネスのメリット
レンタルビジネスで企業が得られるメリットは、以下のとおりです。
- 中長期的に収益を得られる
- 新たな顧客ニーズを創出できる
- 蓄積した顧客データを戦略に活かせる
- 全国のユーザーに向けて展開できる
中長期的に収益を得られる
レンタルビジネスは、中長期的に収益を得られるビジネスモデルです。商品を繰り返しレンタルすることで少しずつ収益が積み重なり、購入コストと維持コストを上回る収益を得られます。一度の取引で完結する一般的な販売モデルとは異なり、企業は安定した予測可能な収入源を確保することが可能です。
新たな顧客ニーズを創出できる
レンタルビジネスは、高額な購入費用に躊躇する消費者のニーズに応えられます。消費者は購入するよりも低コストで商品を試用できるため、興味はあるが高価格での購入に二の足を踏むユーザーを引き込むことが可能です。その結果、従来の販売手法では届かなかった新しい顧客層にアプローチできて、企業の知名度向上にも繋がります。
蓄積した顧客データを戦略に活かせる
レンタルビジネスでは顧客の利用パターンや好みなどの顧客データを蓄積できるため、そのデータをもとに、顧客が何を求めているのかを分析することが可能です。その結果、顧客の声を反映して商品を開発できて、顧客満足度の向上を期待できます。さらに、顧客満足度の高いサービスを提供することでリピーターを獲得できれば、より安定した売上に繋がります。
全国のユーザーに向けて展開できる
ECを利用したレンタルビジネスは、物理的な店舗を必要とせず、全国どこにいるユーザーへもサービスを提供できます。物理的な影響を受けず、実店舗を構える場合よりもより広い範囲でサービスを展開することが可能です。それにより、より多くの顧客にアプローチできて、知名度向上も期待できます。
レンタルビジネスで考慮すべきポイント
レンタルビジネスで考慮すべきポイントは商材や市場によってさまざまですが、一般的に以下の3つです。
-
【レンタルビジネスの考慮すべきポイント】
- 商品の破損や汚損
- 資金を回収できない
- (有形商材の場合)商品の発送や回収、梱包資材のコスト
商品の破損や汚損のリスク
レンタルビジネスを展開する際、商品の破損や汚損は避けられないリスクのひとつです。レンタルが終了した商品に破損や汚損がある場合、修理やクリーニングが必要となり、追加の費用が発生します。
費用を購入コストのみと考えていた場合、修理やクリーニングなどの維持コストが多くかかることにより、利益を圧迫し、最悪の場合にはビジネスとして成り立たなくなることがあります。そのため、購入費用だけではなく、これらの維持費用も考慮して価格を設定することが重要です。
資金を回収できないリスク
レンタルビジネスモデルでは、新規商材を取り扱う場合、事業者が初期投資として商品を購入し、顧客へのレンタルを通じて資金を回収します。レンタル回数が一定回数以上になると収益を得られるビジネスモデルであり、想定よりもレンタル回数が少なければ資金は回収できません。そのため、レンタルビジネスを立ち上げる際には、市場を調査し、その商品のレンタルに需要があるのかしっかりと見極める必要があります。
(有形商材の場合)商品の発送や回収、梱包資材のコスト
バッグやアパレルなどの有形商材のレンタルでは、商品の発送や返品時の送料負担、梱包資材のコストなど、基本的な運営コストに加えて、どれくらいの費用がかかるか検討が必要です。
レンタルビジネスの事例
スーツケースレンタル総合サイト「アールワイレンタル(R&Y Rental)」
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日本鞄材株式会社さまの事業のビジネスモデルや展望、さらに、レンタルビジネスに欠かせない配送サービスで日本郵便を選択した理由についてなどを特集しています。これからレンタルビジネスを始めようとしている方はぜひ参考にしてください。
「旅」をもっと、スマートに。スーツケースのレンタルビジネスを展開する日本鞄材株式会社さまの事例紹介
まとめ
レンタルビジネスは、以下のようなメリットがあるビジネス形態です。
- 中長期的に収益を得られる
- 新たな顧客ニーズを創出できる
- 蓄積した顧客データを戦略に活かせる
- 全国のユーザーに向けて展開できる
レンタルビジネスで考慮すべきポイントは商材や市場によってさまざまですが、一般的に以下の3つです。
- 商品の破損や汚損
- 資金を回収できない
- (有形商材の場合)商品の発送や回収、梱包資材のコスト
日本郵便では、アパレルやDVD、架電、スーツケースなど、数多くのレンタルビジネスの物流や配送サービスを支えています。
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