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リピーターは自社の商品・サービスを複数回購入している顧客であり、売上を支える重要な存在です。売上を安定させたい場合には、新規顧客の開拓に加えて、既存顧客をリピーターに育成する施策を実施しましょう。
本記事では、リピーターを増やす方法について解説します。リピーターを増やすメリットや増えない原因についても紹介しますので、リピーター獲得を目指している方はぜひ参考にしてください。
リピーターとは
リピーターとは、自社の商品・サービスを2回以上購入している顧客のことです。
売上を支える存在であるため、既存顧客を大切にして、継続して利用してもらえるように努めることが企業にとっては欠かせません。
リピーターを育てることは、売上を安定化させるうえで重要な戦略です。
一般的なリピーター率の求め方
リピーターが増えているかどうかを判断するためには、リピーター率の算出方法を知っておく必要があります。リピーター率は以下の計算式で算出することが可能です。
リピーター率(%)= 複数回購入した顧客数 ÷ 総顧客数 × 100
たとえば、1カ月の総顧客数が100人であり、そのうち2回以上購入した顧客数が20人であった場合、リピーター率は20%となります。
リピーターを増やすメリット
リピーターを増やすメリットは、以下のとおりです。
【主なメリット】
- 集客コストを削減できる
- 売上を安定化させられる
- リピーターの口コミによる新規顧客獲得ができる
- 顧客の生涯価値(LTV)が向上する
- クロスセル・アップセルが期待できる
集客コストを削減できる
既存顧客の維持にかかるコストは、新規顧客を獲得する場合よりも低い傾向にあります。
これは、既存顧客はすでに自社の商品・サービスの価値を知っており、新規顧客よりもロイヤリティが高いからです。一般的に、新規顧客を獲得する場合よりも少ないコストでリピーターを増やせます。
売上を安定化させられる
既存顧客の中でもリピーターは購入単価が高く、さらに定期的に自社の商品・サービスを購入してくれるため、売上を支える重要な存在です。リピーターを増やし売上が安定化すると、新商品の開発などにも投資できるようになります。事業を継続させるために、リピーターを増やして売上を安定化させ、事業を成長させましょう。
リピーターの口コミによる新規顧客獲得ができる
リピーターは、商品・サービスに関する良い感想を友人や家族、SNSのフォロワーと共有することが多いです。見込み顧客にとって口コミは広告よりも信頼性が高く、見込み顧客の興味を引きやすいため、新規顧客獲得の可能性を高めます。
特に、SNSで発信された口コミが拡散されれば、多くの人に自社の商品・サービスを知ってもらえます。広告費を抑えながら認知度を向上できる点も魅力です。これらのことから、リピーターを増やす施策を実施することで、新規顧客の獲得も期待できます。
顧客の生涯価値(LTV)が向上する
リピーターは長期間にわたって自社の商品・サービスを繰り返し購入するため、顧客の生涯価値(LTV)が向上します。顧客の生涯価値(LTV)とは、その顧客と取引を開始してから終了するまでの間にもたらされた利益のことです。
市場に商品やサービスが溢れている成熟市場では、新規顧客獲得の難易度は上がっています。成熟市場で利益を得るためには、既存顧客に対してどのように再購入してもらうかが重要です。既存顧客に繰り返し自社の商品・サービスを購入してもらい、顧客の生涯価値が向上すれば、新規顧客の獲得数が少なくても継続して利益を得られます。
クロスセル・アップセルが期待できる
リピーターが増加すると、クロスセル・アップセルが成功しやすくなります。クロスセルとは、顧客が購入を検討している商品・サービスと組み合わせて使える商品を提案する手法です。また、アップセルとは、顧客が購入を検討している商品・サービスより上位のモデルを提案する手法です。
リピーターは、自社の商品・サービスを好んで使用しており、組み合わせて使える商品や上位モデルの商品に興味を持つ可能性が高くなっています。クロスセル・アップセルに成功すると、顧客一人当たりの平均購入額が増加し、結果的に全体の売上が向上します。また、顧客のニーズに応じた商品やサービスを提供することで、顧客満足度をさらに高め、長期的な関係を築くことも可能です。
リピーターになる人の心理
リピーターになる人は、商品やサービスを何れかの点で高く評価しています。「不満はないが、気に入るところもない」という考えでリピーターになる人は多くありません。リピーターになる人の具体的な心理には、以下のようなものが挙げられます。
- 商品・サービスの品質が高くて気に入っている
- 接客が丁寧で気分がよい
- リピーター向けのクーポン等、リピーターのメリットがある
リピーターが増えない原因
なかなかリピーターが増えない場合、以下が原因であることが多いです。
- 商品・サービスの品質が悪い
- 顧客の印象に残っていない
- リピーター獲得の特別な施策がない
商品・サービスの品質が悪い
商品やサービスの品質が顧客の期待に応えられない場合、再購入は期待できません。顧客は価格に見合った価値を求めており、商品・サービスの不具合や、広告の内容との大きなギャップなどは、再購入を阻害する原因となりえます。
リピーターを増やすには、商品・サービスの品質の見直しが必要です。アンケートを実施したり、レビューを収集したりすることで、顧客がどこに満足していないのかを把握できます。改善点が見つかったら、迅速に対策を実施しましょう。
顧客の印象に残っていない
リピーターを獲得できない理由のひとつに、顧客の印象に残っていないというものがあります。商品やサービスの品質が悪くなくても、顧客の印象に残らず、記憶からも薄れてしまうと、次回商品・サービスが必要となった際に検討候補に入れてもらえる可能性は低くなります。
顧客の印象に残るためには、記憶に残るような販売戦略や顧客サービスを提供する必要があります。たとえば、顧客の記憶に残る商品名にする、丁寧な接客をすることも効果的です。このような顧客の記憶に残る施策を実施すれば、リピーターに変わる可能性が高くなります。
リピーター獲得の特別な施策がない
単に商品やサービスを提供するだけでは、リピーターは獲得できません。リピーター獲得のための特別な施策がない場合、リピーターを増やすことは困難です。
リピーターの獲得には、購入後に顧客との関係を構築し、顧客が再び購入したくなるような動機付けが必要です。たとえば、メンバーカードを発行したり、メールマガジン・DMを通じて限定クーポンを提供したりする手法があります。
リピーターを増やす方法
リピーターを増やす方法として、以下の6つの方法を紹介します。
- 顧客から共感が得られるコンセプトを示す
- メールマガジン・DMの送付などで定期的な訪問・購入を促す
- SNS等で顧客の目に入る機会を増やす
- リピーター向けの特典で「特別感」を与える
- 顧客同士が交流できるコミュニティを作る
- 購入者の声を商品・サービスに反映させる
顧客から共感が得られるコンセプトを示す
リピーターを増やすためには、顧客が共感できるコンセプトを提示することが重要です。商品やサービスが顧客の心に響くストーリーや理念を持っていると、ただの消費から熱心な支持へと変わります。たとえば、「家族の○○という悩みを解消したいという想いからこのサービスが生まれました」というようなストーリーは、顧客の共感を得られる可能性があります。
機能性だけではなく、その商品・サービスの生まれた背景にある想いなどを伝えると、顧客の共感を得やすくなります。このように、自社独自のストーリーを通じてコンセプトを示し、顧客の共感を得ることがリピーターを増やすカギとなります。
メールマガジン・DM送付などで定期的な訪問・購入を促す
メールマガジン・DM送付は、顧客が商品・サービスを再度購入するきっかけを作る効果的な方法です。メールマガジンやDMを通じて新商品などを紹介することで、顧客の関心を再び引きつけることができます。また、次回購入時に使用できるクーポンを配布することも、顧客が「もう一度来店したい、購入したい」と思うきっかけになることがあります。このように、メールマガジン・DM送付は単なる情報提供ではなく、リピーターを増やすための役割も担っているのです。
SNS等で顧客の目に入る機会を増やす
多くの人が日常的にSNSを利用している今日、SNSで定期的に情報を発信することで、自社の商品やサービス、店舗の存在を継続的に意識してもらいやすくなります。SNSは顧客と直接やり取りできるため、ユーザーの購入報告の投稿やレビューに対してお礼を述べたり、ユーザーの疑問に回答したりすることが可能です。顧客との関係を構築できて、さらにはそのやり取りを目にした他のユーザーにも良い印象を与え、興味を持ってもらえることがあります。
リピーター向けの特典で「特別感」を与える
商品・サービスを複数回購入してくれた顧客に対して、特典で特別感を与える施策はリピーター獲得に効果的です。通常のサービスに加え、「いつもご愛顧いただいているお客様への特別なお知らせ」とすることで、顧客は自分が大切にされていると感じ、ブランドへの愛着が深まります。このようなアプローチは、企業が顧客一人ひとりを大切にしているというイメージを強化し、リピート購入に繋がりやすくなります。
顧客同士が交流できるコミュニティを作る
顧客同士が交流できるコミュニティを作ると、顧客は同じ興味を持つ他の顧客と繋がれます。それにより、自社の製品やサービスに対する愛着をさらに深めるきっかけになります。特に顧客限定のイベントは、参加者に特別な体験を提供し、自社の商品・サービスへ愛着を高めることが可能です。
たとえば、コミュニティ内で顧客によってポジティブな口コミが共有されると、他の顧客の購買意欲を高めることに繋がりやすいです。このように、顧客が商品やサービスに関する意見を共有できる場を提供することは、リピーターの増加に非常に効果があります。
購入者の声を商品・サービスに反映させる
顧客の声を商品やサービスの改善に活かすことは、リピーターを増やすうえで非常に重要です。多くの場合、不満を持った顧客は静かに去ってしまうため、直接的なフィードバックを提供してくれる顧客は多くありません。顧客の声は、商品・サービスを改善し、顧客が求める品質を提供するためのヒントとなります。
リピーター獲得の施策で注意すること
リピーター獲得の施策を実施する際は、以下の点に注意しましょう。
- 新規顧客獲得の施策と両立させる
- 価格を下げるだけの戦略に依存しない
- 飽きさせないようにアプローチを変える
新規顧客獲得の施策と両立させる
新規顧客を開拓せずに既存顧客を維持する施策ばかり実施していると、時間が経つにつれて顧客数が減少するリスクがあります。事業の持続的な成長を望む場合には、リピーターを増やす施策と並行して、新規顧客の開拓も行いましょう。新規顧客の開拓には多くのコストがかかるため、リピーターが増加して事業が軌道に乗ってきたら新規顧客を開拓することにも力を入れることがおすすめです。
価格を下げるだけの戦略に依存しない
低価格をアピールする戦略は短期的な集客には有効ですが、長期的に見ると企業の利益には繋がりにくいです。一時的に顧客を引き寄せられても、低価格であるだけでは顧客のロイヤリティを高めることは難しく、リピーターは増加しません。また、商品・サービス1つあたりの利益は小さく、多くの商品・サービスが売れたとしても大幅な売上向上には繋がりません。
そのため、価格を下げるだけの戦略に依存するのではなく、価格以外の点で価値を感じてもらえるような戦略を実施する必要があります。
飽きさせないようにアプローチを変える
常に同一の方法で既存顧客にアプローチをしていると、商品やサービスに対する新鮮味を失い、飽きられてしまうリスクがあります。顧客の購入履歴や行動パターンなどに基づいてアプローチを行うことがおすすめです。顧客ごとに最適な情報を提供したり、特別なクーポンを発行したりすることで、顧客の関心を持続させられます。
まとめ
優良顧客であるリピーターは売上に大きく貢献しています。また、既存顧客の維持は新規顧客の獲得よりも少ないコストで行えるため、売上の安定化にはリピーターが欠かせません。
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