私は水仙の切手を推薦します!
科学的な観点で自然由来のものが描かれた写生画などを題材とした新シリーズ「自然の記録」。
第1集では江戸時代、
日本最初期の植物
家凞が描いた綿密で美しい草花の絵柄を楽しめる切手です。
※図譜
動物や植物等の観察対象を図に描き、集録・分類して説明をほどこしたもの。
84円シート
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星山切手デザイナーが
新シリーズの創作について語ります。
切手デザイナー
代表作は「星の物語シリーズ」(2014∼17)、「和の食文化シリーズ」(2015∼18)等。
特殊印刷をはじめ、表現技法にもとらわれず、常に新しいデザインにチャレンジしている。
写真の技術がまだない時代、ものの姿をとどめておくには絵として描き残すしかありませんでした。動植物等の種類や特徴を人に伝達するために描かれた図譜や博物画は、観賞用のアートとは異なる美しさや精密さがあり、図譜等を見るたびに、とても感銘を受けていました。
いつかそれらを切手にしたいと思ってきたので、新たなシリーズとして企画し、今回ようやく実現しました。
企画にあたりテーマについて検討しました。花など一つの分野に絞り込むのではなく、シリーズを通して動物や植物など様々な分野を題材として取り上げていくこととしています。
近衛家凞は、細密画だけでなく、華道・書道など様々な分野にも秀でた当代一級の文化人だったとされています。最も映える位置を見極めて描かれた花と、家凞自身による植物名の墨書で構成された図譜の美しさを、切手の中でも表現したいと思いました。
まず、125図ある植物画の中からどれを切手にするのか悩みました。特に、切手に取り上げた「水仙」は、着色された花の部分と全体がわかるように描かれた線画が、同じ画面の中にあります。対象の細部をよく観察し、それを忠実に絵に写し取ろうとしたところに面白さを感じ、シート余白に採用しています。
また、「花木真寫」は巻物であるため、横長の絵が多く、切手にどう収めるかも難しかったです。シート背景も、一番魅力的に見えるデザインを複数の案の中から検討を重ね、今のデザインとなりました。
▲シート余白の水仙の線画。
実際は、着色された花の絵と同じ画面に描かれている。
▲切手に採用した「水仙」の花の部分。
墨書は家凞自身によるもの。
▲濃い色の文様など、
複数の案を作成し、検討を重ねた。
▲シート背景の文様は、
牡丹から着想を得てオリジナルで作成した。
「花木真寫」イメージ図。
縦30cmほどの3巻に、125図の植物が正確に描かれている。