「自然との共生シリーズ　第3集～日本の希少野生動植物～」の発行

日本郵便株式会社（東京都千代田区、代表取締役社長鍋倉眞一）は、絶滅のおそれのある希少な野生動植物や天然記念物に指定された野生動植物を題材としたシリーズの第3弾として、特殊切手「自然との共生シリーズ第3集～日本の希少野生動植物～」を発行します。

発行する切手の内容

名称

自然との共生シリーズ　第3集～日本の希少野生動植物～

発行日

平成25（2013）年5月23日（木）

種類

80円郵便切手

切手

シート構成・意匠

シート構成

(1)	エゾクロテン
(2)	ホントウアカヒゲ
(3)	カッコソウ
(4)	ヨナグニマルバネクワガタ
(5)	ハマグリ

1シート10枚（縦5枚×横2枚）

小切寸法

縦36.0mm×横36.0mm

印面寸法

縦33.0mm×横33.0mm

シート寸法

縦215.0mm×横93.5mm

写真提供

(2)	環境省（やんばる野生生物保護センター）
(3)	桐生市役所環境政策課
(4)	下地　幸夫
(5)	石塚　新

助言・監修

環境省自然環境局野生生物課

切手デザイナー

星山　理佳

版式刷色

グラビア6色

発行枚数

1,200万枚（120万シート）

販売場所

全国の郵便局等
（日本郵便株式会社Webサイト内「切手SHOP」

のほか郵便振替による通信販売も行います。）（注）

（注）	切手SHOPへの掲載は、発行日を予定しています。

発行する郵便切手のデザインについて

(1)エゾクロテン

北海道に生息するイタチ科の哺乳類で、ネズミをはじめとする小動物、昆虫、果実などを食物としています。主に森林環境に生息し、樹上も頻繁に利用します。毛皮目的の乱獲により激減したため、1920年から禁猟となっています。現在では、南西部を除く北海道に広く分布していますが、本州から人為的に導入された近縁種テンとの競合や交雑が懸念されています。環境省が作成し、公表している、日本の絶滅のおそれのある野生動物の種のリスト（以下「レッドリスト」といいます。）では、現時点での絶滅の恐れは小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧種となる可能性がある「準絶滅危惧」に分類されています。

(2)ホントウアカヒゲ

沖縄県北部に分布するツグミ科の鳥類です。生息地はよく茂った森林で、沢沿いを好みます。声も姿も美しく、古来より飼い鳥として捕獲されてきました。数万羽が生息していると考えられていますが、近年では生息地である森林の伐採やマングースによる捕食などによる減少が懸念されています。環境省レッドリストでは絶滅の危険が増大している「絶滅危惧II類」に分類されています。

(3)カッコソウ

群馬県の山地にのみ生育する高さ10～20cmほどのサクラソウ科の多年草です。紅紫色の花が5～15個の輪になって1～3段になってつきます。1970年代にはおよそ8,000株が生育していたと推定されていますが、現在は800株程度まで減少しています。園芸用の採取が減少の主要因であり、森林伐採・道路工事の影響も指摘されています。環境省レッドリストでは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧IA類」に分類されています。

(4)ヨナグニマルバネクワガタ

体長35～60mmほどの日本産の中で最も大型になるクワガタムシの一つで、沖縄県与那国島にのみ分布しています。体は黒褐色で、成熟したスダジイを主体とした自然林を中心に生息し、幼虫は大木にできたウロ（樹洞）の中や根際に溜った腐植質を食べて育ちます。繁殖に適した樹洞を持つ大木のスダジイ林伐採や販売目的の採集などにより個体数が減少しています。環境省レッドリストでは、「絶滅危惧IA類」に分類されています。

(5)ハマグリ

かつては青森県の陸奥湾から九州地方にかけての内湾、河口域に広く分布していたマルスダレガイ科の二枚貝です。1980年代以降の干潟の干拓や埋め立て、海岸の護岸工事等により生息環境が悪化したため日本各地で急減しました。現在「ハマグリ」として食用に流通しているものの多くは、中国、韓国等から輸入されている外来種の「シナハマグリ」や国内にも自然分布する外洋性の「チョウセンハマグリ」です。環境省レッドリストでは、｢絶滅危惧II類｣に分類されています。