【ことば部門審査員総評】
新年を祝い、日頃の感謝の気持ちを伝える年賀状。今回の審査を通じて、年賀状の持つ文化や受け継がれてきた伝統とそこに込められた思いについて、改めて考えさせられました。
日本郵便の年賀はがきの発行枚数は、年々減少していると聞きます。その要因の一つにメールやSNSの普及があると思われますが、個人情報の保護から、他者に自分の住所を知らせないこともあり、減少に拍車をかけているのでしょう。
このように年賀状も様々な形に変化していますが、その役割も時代の流れと共に、これまで以上の何かが付加されていると感じます。特に手書きの年賀状は、相手のことを思いつつ、丁寧に筆を進める静かな時間の中で、時には一年以上の歳月を振り返り、相手の温かさに触れたり、自分の中の深い思いに気づいたりします。
ことば部門で、審査員の目にとまる作品は、心を揺さぶる感動的なことばが含まれていることはもちろんですが、相手を思って丁寧に書かれた文字、手書きならではの温もりを感じさせる構成の作品にも心惹かれることが多いようです。
応募される皆さんは、過去の入賞作品をよく研究されていますが、伝統的な年賀状の形式や表現のルールにも気を配ってください。また、挿絵やスタンプ、雅印などは自作のものを使うようにすると良いでしょう。次年度も年賀状の良さを再発見できる、素晴らしい作品に出会えることを期待しています。
後藤 石鼎 先生
ことば部門入賞作品
年賀状大賞
文部科学大臣賞
日本郵便賞
NHK学園賞
奨励賞
審査員特別賞
大宮エリー賞
入賞作品のうち、応募規定に則した作品でないと発覚した作品は 入賞が取り消しとなる場合がございます。